VirtualBoxでは仮想ディスクの属性を変更することで、様々な特徴を持ったディスクを使用することができます。

以前は属性を変更するのにVBoxManageコマンドの操作が必須でしたが、現在では仮想メディアマネージャーからGUIで簡単に変更することが可能となりました。

通常

デフォルトで設定されているディスクのタイプです。
読み書きなどに特別な制限はありません。

変更不可(IMMUTABLE)

変更不可ディスクは読み取り専用の仮想ディスクです。
書き込みが保存できないためデータの一貫性を保つことができ、複数のゲストマシンから同時に読み込む事ができます。

変更不可ディスクをマウントしたゲストマシンの書き込みアクセスは、VirtualBoxが自動作成する差分ディスクへとリダイレクトされます。
しかしこの差分ディスクはゲストマシンの次回の起動時に削除される一時的な差分ディスクなので、注意してください。
差分ディスクは再起動では削除されず、次回起動時にリセットされます。
フリーソフトの実験環境として適しています。(再起動すれば環境が元通り)

不変ディスクは新規に作成することは出来ません。必ず仮想メディアマネージャーで既存のイメージを不変ディスクに属性を変更します。

以下のコマンドで仮想ディスクを不変ディスクとして変更できます。

VBoxManage openmedium disk <仮想ディスクファイル> --type immutable

不変ディスクになったかどうかは、以下のコマンドのTypeで確認できます。

VBoxManage.exe showhdinfo <不変ディスクファイル>

Oracle VM VirtualBox Command Line Management Interface Version 3.2.10
(C) 2005-2010 Oracle Corporation
All rights reserved.UUID: 33d80639-0893-4b19-8088-c36439e94d33
Accessible: yes
Logical size: 20480 MBytes
Current size on disk: 2769 MBytes
Type: immutable
Storage format: VDI
Location: c:\Users\hoge\.VirtualBox\RHEL.vdi

ライトスルーディスク(WRITE THROUGH)

ライトスルーディスクはスナップショットに影響を受けない特殊なディスクです。
この仮想ディスクを使っているゲストマシンでスナップショットを取得しても、この仮想ディスクの内容はスナップショットとして保存されません。

例えば、スナップショットでシステムを元に戻したいけど、ユーザーのホームディレクトリ(Linuxでいうと/home)の内容は元に戻ってほしくない環境では、
ライトスルーディスクに変更したディスクを/homeとしてマウントします。

ライトスルーディスクは以下のコマンドでも設定できます。

VBoxManage modifyhd <仮想ディスクファイル> --type writethrough

共有可能(SHAREABLE)

共有ハードディスクはライトスルーハードディスクの一種です。
ライトスルーハードディスクと同様にスナップショットで内容は保存されませんが、この仮想ディスクは複数の仮想マシンに同時に割り当てることができます。

ゲストマシンでクラスタ構成を取る場合に使用されますが、使用を誤るとデータの損失等に繋がるので注意が必要です。
また、可変ストレージには使用できず、固定サイズのストレージのみこの共有ディスクに設定できます。

共有可能ディスクは以下のコマンドでも設定できます。

VBoxManage modifyhd <仮想ディスクファイル> --type shareable

複数割り当て

複数割り当てディスクは同時に複数のゲストマシンに接続することができます。

共有可能ディスクとの大きな違いは、ゲストマシン毎に差分ディスクが作成されることです。
複数割り当てディスクに書き込まれたデータは差分ディスクとなり、ディスクを共有している他のゲストマシンには書き込み内容が表示されません。。

複数接続可能ディスクは、ゲストマシンを起動するたびに差分ディスクがリセットされないのを除いて、変更不可ディスクと同じ動作をします。

OSをインストールした一つの仮想ディスクを複数の環境で利用し、ホストマシンのハードディスクを節約するとともに、OSインストールの手間を省略することができます。